| 錯覚という出逢い
眩暈がした。
人と人との出逢い。邂逅。何を信じればいいのだろう。
戸惑うばかり、こんな日々に。
出逢った人は数多く、めぐり逢うほどに惹かれてゆく。
だけれど何かがおかしい。
捻れてゆく面影。繋ぎとめるものは何もない。
見あげていた。憧れるように綺麗なものを。
美しいものに惹かれ、けれどそれはとても恐い。
何処にも見えない、ふたつの、いや自分とそれらの接点。
鍵を開けて、扉を開いて、そこに見えたものは交錯した、歪んだ空間。
届かない、手を伸ばしても、だから手を伸ばそうとはしなかった。
霞んでゆくのは遠くなっていくからなのか。
それとも涙に光が屈折しているからなのか。
救われるのを待っていた。
助けを求めることさえ怖くて。
ただ、待つばかり。
縋りついて、無視されたくはない。
何処かに見えた。
でももう、消えてゆく。
遠く、決して接することのない、彼方へ。
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