| 紺碧の空
背を向けた空は蒼く 頭上の夜空は濃紺だった。
星が思いつきのように散らばり 寂しい光を放ち続ける。
あれが、人々の魂だというのならば、
なんと切なく、なんと辛い。なんと哀しい、生なのだろう。
ふとひとり、もう逝った人の姿が脳裏を掠めた。
肌をすり抜ける風は冷たく、心を吹き抜けて
帰路の足は速まってゆく。
刹那、佇む。
空を仰いで。
髪を攫う風が示すのは、決してとらえられない 遠い空。
それが、わけもなく心をゆらした。
吐息は白。
踊る空気と水の粒子 何かに束縛された、ひとの心を弄ぶ。
自分自身でも、どうしていいのかわからないけれど。
ただ、心が揺らぐ。
ただ、自分の心だけが、未来を塞ぐ。
なにひとつ、自分自身を確かめる術さえ知らない。
だれひとり、傍にはいない。
紺碧の空。
路傍の片隅。
隠しきれない寂しさが、ただそこに。
のみこまれてゆく、夜の闇に。
自分自身への存在理由に、憔悴してゆく。
その苦しみには、出口もない。
生きていることそのものが、ただ漠然とした不安だから。
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